乳がん発見から手術までの道のり⑮(入院手続き・手術の説明)
10月16日。手術3日前、夫と母と一緒に病院へ。
入院の手続きをした後、手術の説明を受けた。
手術をして下さるのは、あの女性ドクターとのこと。もう、身を任せるしかない。
説明してくれる様子はあの時のような軽い感じではなく、丁寧だった。
夫も母も「そんな悪い感じはしなかったよ」と。
その後、麻酔科のドクターからの説明があった。手術するって大変なことだ。
女性ドクターは私より1つ年下。一児の母だった。
最初の印象が悪すぎたせいか、あとは上がる一方(笑)
とても面白く、明るい先生だった。本当にお世話になった。
入院手続きを済ませ、一時退院。手術の前日に入院すればいいとのこと。
2歳児の母ということでいろいろと配慮してもらった。
乳がん発見から手術⑭(手術1週間前、CT検査)
午後から絶食。
乳房センチネル+胸部+腹部、造影
胸に注射を刺され、もみもみ。リンパへの流れを見るためにやるとのこと。
検査後に現れた女性のドクターから
「温存するの?再発の可能性や術後の治療(放射線等)を考えたら、全摘もありだと思うけど」と言われた。すごく軽い感じがして、嫌悪感を覚えた。
私は何も言わなかった。
結果は後日知らせてくれるとのことだった。
乳がん発見から手術までの道のり⑬(謎のドリンク)
私は仕事で家にいなかった。
友達から「これを渡して欲しい」と大きな紙袋を預かったのこと。後で夫から連絡があった。
袋の中にはワインボトルサイズのビンが1本入っていた。手紙も添えられており、このドリンクを手術まで飲み続けて欲しいとのこと。飲めば癌が消えるとのことだった。
1本の値段が1万円近くする高価なものだった。1週間で1本飲むようにとのこと。
そして、そのドリンクと一緒に定期申込書が入っていた。
気持ちは有難かった。しかし、心は複雑だった。
40年近い付き合い。友達の純粋さは十分知っている。心から癌が治ること願ってくれたのは十分に伝わった。頂いたドリンクは飲ませていただいたが、申し込みはしなかった。
でも、その気持ちは有難かった。
このことがあって以来、私は癌のことを友達に伝えるのをやめた。
夫と両親、数人の親しい友人しか、私が癌になったことを知らない。
乳がん発見から手術までの道のり⑫(友達②)
幼稚園時代から仲の良い看護師の友達がいる。
お互い子育てと仕事に忙しく、年に数回しかあえない友達。黙っていれば分からないと思ったが、伝えることにした。
看護師という仕事上、こういう話には慣れているのだろう。乳がんの恐ろしさを淡々と話し続け、「ステージは?転移は?」と根掘り葉掘り聞かれた。
だんだんと不愉快になる自分がいた。そんなことまで伝える気はなかった。言うんじゃなかったと後悔した。その後の話はよく覚えていない。電話をかけたことをただただ後悔した。
彼女は母親を乳がんで亡くしている。だから悪気はないことは十分承知している。専門的立場から話をしてくれたんだと思う。でも、私はそんな話をしたかったのではなかった。
翌日、忙しい中、車で1時間以上かけて家に来てくれた。
乳がん発見から手術までの道のり⑪(友達①)
何ヶ月も前から、会う約束をしていた友達がいた。
小学校からのお付き合い。もう30年来の親友。
約束の日には会えなくなってしまった。
電話をかけた。
「病気になってしまった。会えなくなった。ごめんね。」と伝えた。
乳がんだと分かった後に泣いたのはこのときが初めてだった。夫の前でも両親の前でも泣かなかったのに。
友達は「大丈夫。また会おうね。」と、心配そうな声で何度も同じ言葉を繰り返してくれた。
そして数日後、地元の神社のお守りが家に届いた。
本当に本当に有難かった。
いい友達に恵まれたことを心から幸せだと感じた。
乳がん発見から手術までの道のり⑩(針生検の詳しい結果)
今回は母も一緒に病院に行ってくれた。
検査結果、ルミナルAという、予後の良い、大人しいタイプの癌とのこと。
ER 90%
PgR 90%
ホルモン療法がとても効果的である。
HER2 陰性
少しホッとした。