乳がん手術後のこと③(病名)
正式な病名は
「右乳腺腫瘤腺筋上腺症」未だに長くて覚えられない。
ドクターは癌と診断し、リンパまで切ってしまったことを詫びた。
また、全摘を拒んでくれたことがせめてもの救いだったと言われた。
未だに、狐につままれたような不思議な気持ちになる。
乳がん手術後のこと②(病理検査の結果)
手術から3週間後、病院へ行った。
診察室に入るなり、ドクターから
「悪い話と良い話がある」と言われた。
思わず、私は「もう1回手術ですか?」と聞いた。癌を取り切れなかったに違いない。それしか思い浮かばなかった。
ドクターから衝撃のひとこと。
「病理検査の結果、癌ではなかった。術後の治療は一切なくなった」というものだった。
それから、いろいろと詳しい説明をしてもらったが、話が頭に入ってこなかった。
「一体何だったんだ?」「これは夢か現実か?」もう頭の中はパニックだった。
乳がん手術後のこと①(抜糸・水抜き)
手術後から普段どおりの生活が始まった。
洗濯物を干すのが辛いくらいで、その他の家事は支障なくできた。
あまり動かさないようにと言われていたが、やっぱり動いてしまう。
手術から9日後、脇と胸に溜まった水を抜き、抜糸をした。脇の痛みがかなり楽になった。
それからも1週間に1回、水抜きをするために病院に通った。
乳がん発見から手術までの道のり⑳(翌日退院)
朝が来た。傷の痛み、腫れはあったが、想像以上に動ける。
回診があり、初めて術後の傷を見た。腫れていたせいか、傷は綺麗だった。
少しホッとした。(腫れが引いた時には、残念なことになってしまいました。)
ドクターから「状態も良さそうだし、午後から退院してもいいよ」と。
癌の手術をしても、翌日には家に帰れる時代。
2泊3日の入院生活は終わった。
乳がん発見から手術までの道のり⑲(手術当日)
13:30から手術。所要時間は3時間半の予定。
娘を保育園に送った後、夫と両親が病院に来てくれた。病院の近くに住んでいる友達も顔を出してくれた。
手術室の入り口で家族と別れた。
さすが大学病院。ドラマで見るような風景。すごい人の数。
もうなるようにしかならない。
台の上に仰向けになると、看護師さんが手を握ってくれた。
麻酔がかけられた。名前を呼ばれた。3回呼ばれた。3回目の返事をした後からの記憶はない。
目覚めた時には「大丈夫だったよ」とドクターの声が聞こえた。リンパには転移していなかったんだということが分かった。
その次の記憶は病室。夫と父がいた。母は娘を保育園に迎えに行ってくれていたのだろう。姿はなかった。「大丈夫だたって。良かったね。」とかすかに聞こえた。
夜中に何度も目が覚めた。ベッドが合わないのか傷の痛みよりも腰のほうが痛かった。
リクライニングを何度も調節しながら、朝を迎えた。
乳がん発見から手術までの道のり⑱(入院・前日検査・印付け)
金曜日に入院手続きをし、翌日が土曜日だということでそのまま外泊。土日は家で過ごし、日曜日の夕方、夫と娘に病院まで送ってもらった。
当時2歳の娘は、すべてを察しているかのように大泣きだった。
麻酔の説明、手術箇所の印し付け等をした。
日曜日の病院はとても静かだった。
手術のことより娘のことが気になった。早く帰りたかった。
乳がん発見から手術までの道のり⑰(病休に入る)
入院の前日まで仕事をした。
1ヶ月半。長かった。でも、仕事をしていて助かった部分も多い。
癌のことは、職場のみんなには伝えていない。直属の管理職にだけ伝えた。
3ヶ月の病休に入った。